取扱業務(労務管理)

取扱業務(労務管理)

残業代請求

近年、残業代請求の案件が増加傾向にあります。
労働時間は、1日8時間・1週40時間が原則的な上限で、これを超える場合には、労働者に対し、割増率25%(休日労働は35%、深夜労働はさらに+25%)の割増賃金を支払う必要があります。
タイムカード等により労働時間を管理することは言うまでもありませんが、昨今、本来管理監督者に当たらない職務の者を管理監督者とみなしてしまったために、後から残業代を請求されたり(いわゆる「名ばかり管理職」の問題)、一定の残業代相当分を基本給に含めたり、定額の手当として支給していたものの、残業代とは認められず、二重払いを強いられる(いわゆる「固定残業代制度」の問題)といったケースも多々みられます。
こうした問題は、給与体系を適切に定めることで相当程度防ぐことができます。リスクを低減するためにも、ぜひ一度ご相談下さい。

解雇

解雇とは、企業側から一方的に労働契約を終了させることをいいます。
解雇は、従業員の生活に大きな影響を及ぼすおそれがあることから、法令によって厳格に規制されています。

法律上の禁止事項 

以下の理由による解雇は、法令で禁止されています。
1.国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労働基準法3条)
2.業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法19条)
3.産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法19条)
4.労働組合の組合員であることや正当な組合活動をしたことを理由とする解雇(労働組合法7条)
5.性別、女性の婚姻、妊娠、出産、産前産後休業等を理由とする解雇(男女雇用機会均等法6条、9条)
6.育児・介護休業の申出・取得したことを理由とする解雇(育児・介護休業法第10条、第16条)
7.通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者について、パートタイム労働者であることを理由とする解雇(パートタイム労働法8条)
8.労働基準監督署等に申告したことを理由とする解雇(労働基準法104条、労働安全衛生法97条)
9.公益通報をしたことを理由とする解雇(公益通報者保護法3条)

解雇予告と解雇予告手当 

また、労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日前に予告する(解雇予告)か30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります(労働基準法20条)。なお、予告日数は、平均賃金の支払日数分につき短縮されます。

就業規則等の定め 

さらに、就業規則には、解雇に関する事項を必ず定めなければなりません(労働基準法89条3号)。
労働協約、労働契約に解雇事由を定めた場合は、その要件を満たしていることも必要です。
また、懲戒解雇は、懲戒処分でもあり、就業規則に処分の種類および程度に関する事項を定めなければなりません(労働基準法89条9号)。

解雇権の濫用 

以上の条件を備えていても、
1.客観的に合理的な理由を欠き、
2.社会通念上相当であると認められない場合は、
権利の濫用として無効とされます(労働契約法16条)。
どういう場合に解雇権の濫用になるのかについては、多くの裁判例があり、概ね次のような枠組みによって判断されています。

■普通解雇
1.業務に重大な支障をきたし、または反復継続的で是正の余地が乏しいこと ex.労働能力の欠如・勤務態度不良・業務命令拒否等
2.解雇回避努力を尽くしたこと ex.配置転換・教育・注意・警告
3.適正な手続きによること ex.労働者に対する説明・協議・弁明の機会の付与
■整理解雇
1.人員削減の必要性 ex.経営状況の悪化、部門・工場閉鎖
2.解雇回避努力を尽くしたこと ex不要資産の売却、経費削減、役員報酬カット
3.基準選定の合理性(評価者の主観にされず、全従業員を対象としたものであること)
4.適正な手続きによること ex.労働者に対する説明・協議
■懲戒解雇
労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用として無効とされます(労働契約法15条)。
「その他の事情」としては、業務に及ぼした影響・損害の程度、労働者の態度・処分歴、使用者の対応等が考慮されます。
このように解雇のハードルは高く、慎重に判断する必要があります。

労働問題に関する請求を受けたら

労働問題には数多くの裁判例の集積があり、専門的な知見を必要とします。
残業代や解雇など雇用を巡るトラブルの解決は、ぜひ奈良まほろば法律事務所にお任せください。

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